会社でのマイナンバーの取扱いについて
平成28年1月1日からマイナンバー制度の運用が始まります。
これによって、会社などは、従業員からマイナンバーを収集しなければなりません。
以下では、会社が収集した従業員のマイナンバーを、どのように取り扱えばよいかについて解説します。
会社が収集した従業員等のマイナンバーを盗用した場合等の罰則について
マイナンバーは特定個人情報に区分され、その取扱いには細心の注意が要求されます。
よって、会社が従業員から収集した従業員やその扶養親族のマイナンバーの取り扱いについても、厳格な注意が要求されます。
会社が、従業員等から収集したマイナンバーが記録された特定個人情報ファイルを、正当な理由なく、外部に提供した場合には、4年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。
また、会社が収集した従業員やその家族のマイナンバーを、自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供又は盗用した場合には、3年以下の懲役または150万円以下の罰金に処せられます。
会社が収集した従業員等のマイナンバーの取り扱いについて
会社が従業員等から収集したマイナンバーは、紙に記録しているような場合には、その紙は、金庫などに保管しなくてはなりません。
また、パソコンにデータとして保管する場合には、コンピューター・ウイルスなどによる情報流出がないように、セキュリティに十分な配慮をしなくてはなりません。
従業員等から収集したマイナンバーは、マイナンバーを利用した事務処理が必要な限りにおいて保管できますから、事務処理の必要がなくなった場合には、すみやかに廃棄又はデータの削除をする必要があります。
例えば、従業員が退職した場合には、その従業員に係るマイナンバーは廃棄等する必要があります。
関係書類の法定の保存期間がある場合にはマイナンバーを保管できる
ただし、従業員が退職した場合でも、法令によって一定期間保存が義務付けられている書面に記載したマイナンバーは、廃棄の対象とはなりません。
例えば、年末調整に必要な扶養親族等申告書や源泉徴収票は7年間の法定保存期間があります。
従って、従業員の退職の有無にかかわらず、それらの書面に記載されたマイナンバーは7年間は保存しなくてはなりません。
また、労災保険に関する書面も、原則として、3年間の法定保存期間がありますから、これも従業員の退職とは無関係に、完結から3年間は保管しなくてはなりません。
雇用の継続が認められる場合にはマイナンバーの保管が可能になる
なお、従業員が、翌年度以降も雇用を継続することが見込まれる場合には、その従業員から収集したその者やその家族のマイナンバーは、そのまま保管し続けることができるとされています。
そうでない場合には、従業員から収集したマイナンバーは、書面に対する記載などの事務処理が終了した場合には、すみやかに廃棄やデータの削除をしなくてはなりません。