金地金を利用したマイナンバー対策について
平成28年1月1日からマイナンバーの運用が開始されます。
これに伴い、金地金を利用した相続税対策が注目を集めています。
以下では、金地金を利用した相続税対策について、解説します。
マイナンバーはいずれ預金口座に紐付けされる
平成28年1月1日から運用が開始されるマイナンバーは、将来的には、各個人が保有している銀行口座に対するマイナンバーへの紐付けが予定されています。
このことは、個人が保有している金融資産が、税務署に簡単に把握されるようになることを意味します。
しかし、マイナンバーの預金口座に対する紐つけによる、税務署の金融資産の把握をプライバシーの侵害と感じる人も少なくありません。
誰でも、資産をどれくらい持っているかということを他人に知られることは嫌なものです。
プライバシー対策としての金地金の利用について
マイナンバーに預金口座が紐付けされた場合に、税務署に金融資産を把握が嫌だという方には、その対策として、タンス預金がまず考えられます。
しかし、タンス預金は、盗難の危険がありますし、意外にかさばるので、金庫がすぐに満杯になってしまうという問題があります。
そこで、現金を税務署の監視下にある預金ではなく、金地金で保管する方法が考えられます。
金地金ならば、わずかのスペースで高額の資産を保有できますし、現金のようにかさばって目立たないので、盗難の危険も少なくなります。
金地金を利用した生前贈与について
金地金は100g単位で加工できます。金地金の相場を5,000円/gとすると、100gの金地金の価額は50万円です。
贈与税の基礎控除額は1年間に110万円ですので、100gの金地金2本までは非課税で贈与できます。
例えば、親から子へ、1年間に2本の金地金の贈与を毎年繰り返すことにより、比較的高額の贈与を非課税で行うことができます。
生前贈与により、相続があった場合の相続財産を減少させておけば、相続税対策として役立ちます。
また、贈与を受けた子たちにとっても、金地金の保有は、預金口座のマイナンバーへの紐付けによる税務署の監視の網の対象外ですから、プライバシー対策として役立ちます。
もちろん、金地金を利用した相続税や贈与税の脱税はよくありませんが、脱税ではなく、プライバシー対策としての金地金の利用であれば、問題ありません。
金融資産課税が始まれば、金地金需要は急増する
マイナンバー制度の究極の目的は、金融資産課税だという説もあります。
そうすると、マイナンバーでは把握できない金地金の利用は、今後、急速に増加するかもしれません。
各個人が保有する金地金の把握は、非常に難しいので、各人が保有する金地金に対して課税がなされるということは非常に困難なことです。
よって、金融資産課税が始まれば、金地金による資産保有形態が急増する可能性は十分に考えられます。