マイナンバーと個人情報(住所・氏名・生年月日・性別)について
マイナンバー制度の大きな特徴は、各種の番号で管理されている様々な行政機関が保有している個人情報が、マイナンバーを使って引き出されるようになるということです。
マイナンバー導入前までは、氏名、住所、生年月日、性別がその役割を担っていました。
以下では、この観点からマイナンバーを考えてみます。
社会保険番号、納税者番号について
社会保障分野等では、様々な番号が使用されています。
- 年金保険における基礎年金番号
- 雇用保険における雇用保険番号
- 健康保険における被保険者番号
- 個人の住民票に関する住民票コード
などがこれに該当します。
なお、現在のところ、税に関する番号はありません。
仮にその番号が存在するとすれば、おそらくは納税者番号と名付けられたと思われます。
マイナンバー制度を導入しなくても、納税者番号制度を導入すれば十分に、税と社会保障制度の効率化は可能だという考えもありますが、ここでは、触れません。
各種の番号で管理される個人情報
分かり易くするために、納税者番号税度が存在するとします。
さて、これらの各種の番号は、それぞれの行政機関が保存・管理します。
下記の表をご覧ください。
各種番号 |
管理 |
---|---|
基礎年金番号 | 日本年金機構 |
雇用保険被保険者番号 | ハローワーク |
健康保険被保険者番号 | 協会健保、健康保険組合など |
住民コード | 住所地の市区町村 |
納税者番号 | 住所地を管轄する税務署 |
マイナンバー制度は分散管理方式を採用していますが、マイナンバー導入前は、各種の番号はそれぞれの行政機関が管理していますから、いうまでもなく、分散管理が成立しています。
社会保障関係の1つの手続きには複数の行政機関が保有する個人情報が必要
1つの社会保障関係の手続きには、上記の様々な行政機関が保有する個人情報が必要になります。
例えば・・・
健康保険の傷病手当金の請求手続きの場合には、障害年金や老齢年金の受給の有無という基礎年金番号に紐付けされる情報が必要になります。
また、年金の請求手続きについては、住所や氏名、生年月日といった住民票コードに紐付けされる情報、ハローワークからの給付金の受給の有無といった雇用保険番号に紐つけされる情報、配偶者の所得水準という納税者番号に紐付けされる情報が必要です。
個人情報の引き出しキーが4情報からマイナンバーに変わる
このように、1つの手続きに関して、複数の行政機関が所有する個人情報が必要になりますし、その個人情報は、各行政機関が付番している番号によって管理されています。
さて、現在のところ、1つの手続きによって必要な他の行政機関が保有する個人情報は、氏名、住所、生年月日、性別の4情報をもとにして引き出しています。
各種の行政機関から、個人情報を引き出すための情報のことを「キー」といいます。
今までは、「キー」が氏名、住所、生年月日、性別の4情報でした。この4情報から、各種の行政機関は、その者に付番された社会保険番号、住民票コード、納税者番号を識別し、それに紐付けされている個人情報を入手します。
マイナンバー制度の本質は、各行政機関が保有する個人情報を引き出す際の「キー」が氏名、住所、生年月日、性別の4情報から12桁の数字に変わるということだとも言えます。
マイナンバー制度導入後は、マイナンバーをもとにして、各種の行政機関が保有する個人情報を引き出すようになるのです。