年金受給者の未支給年金の請求手続きはマイナンバー導入でどう変わる?
年金受給者が亡くなった場合、必ず1ヶ月か2か月分の未支給(未払)年金が発生します。
この未支給年金は、一定の遺族が受け取ることができ、その為には請求手続き必要です。
そして、この手続きはマイナンバー導入で変わります。
以下では、未支給年金の請求手続きがマイナンバーでどう変わるのかについて解説します。
未支給年金を受け取ることができる遺族について
未支給年金は、亡くなった年金受給者の遺族で、生計を同じくする3親等以内の親族に支給されます。
ただし、要件に該当する遺族が複数いる場合には、以下の順位のうち最先順位の者が未支給年金を受給します。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 兄弟姉妹
- その他3親等以内の親族
なお、未支給年金を受け取ることができる遺族は亡くなった年金受給者と生計を同じくしていなくてはなりません。
例えば・・・
亡くなった年金受給者に子と父母がいた場合
亡くなった方と子が生計を異にして、父母が生計を同じにしていた場合、順位は子の方が上ですが、この場合は父母が受取人になります。
現在の生計同一要件の確認方法
生計を同じくしているとは、基本的には住民票上の同一世帯か否か、又は、世帯は異なるが住所が同一か否かで判断します。
同一世帯や同一住所であれば、生計を同じくしていると判断します。
この確認は、マイナンバーが導入されていない現在は、「亡くなった年金受給者の住民票の除票(写)」と「請求者の住民票(写)」を未支給年金請求書に添付させることで確認します。
なお、未支給年金の請求書には、この他にも死亡者の除籍謄本や請求者の戸籍謄本、請求者名義の金融機関の通帳、死亡者の年金証書などの添付書面が別途必要になります。
未請求年金の請求に住民票(写)等の添付が不要に!
マイナンバーが導入されると、未支給年金の請求の際に、亡くなった方のマイナンバーと請求者のマイナンバーの提出が求められます。
未支給年金を請求できる要件を満たす遺族であることの確認は、原則として、
戸籍謄本等と住民票上の情報により行います。
戸籍謄本により、亡くなった年金受給者に対する請求者の続柄が確認できます。
また、住民票写等により、年金受給者と請求者が同一世帯又は同一住所であり、生計を同じくしていたことや、生計を同じくしている先順位の遺族が存在しないことが確認できます。
しかし、マイナンバー制度が導入されると、未支給年金の請求を受付けた行政機関が、マインンバーを利用して申請者等の住所地を管轄する市区町村に申請者等の世帯情報を入手することが可能になります。
行政機関はこの世帯情報を基にして請求者が未支給年金を請求できる遺族がどうかを確認します。
結論として、マイナンバー制度の導入により、未支給年金請求書の添付書類から死亡者と請求者の住民票除票(写)及び住民票(写)がなくなる代わりに、死亡者と請求者のマイナンバーの提供が求められることになります。