マイナンバーを悪用した詐欺の類型について
平成28年1月1日から、税金と社会保障に関する手続きの効率的な運用を目的として、マイナンバー(個人番号)の利用が始まります。
これに伴い、これに便乗したマイナンバー詐欺の多発が懸念されております。
以下では、このマイナンバーを利用した詐欺の類型について考えます。
マイナンバー詐欺の類型を知ることは大切
詐欺対策として有効なのは、詐欺の手口を知っておくことです。
詐欺の手口を知っておけば、実際に詐欺のターゲットにされたときに、途中で詐欺だと気が付くことが多くなり、お金を振り込むなどの行為を思いとどまることができ、詐欺に引っかかることが防げます。
マイナンバーを悪用した劇場型詐欺について
さて、マイナンバーを利用した詐欺には様々なものがありますが、その一つとして「劇場型詐欺」が挙げられます。
「劇場型詐欺」とは、複数の詐欺犯が、次々に被害者に電話をかけ、被害者が、劇の中の主役になったように、最終的にはお金をだまし取られるというものです。
劇場型詐欺の全貌
例えば、犯人Aが被害者Xに対して、
「あなたのマイナンバーが流出している。流出したマイナンバーを新しい番号に変えるのには、第三者の名義が必要。今から教える電話番号に電話して、名義を借りて下さい」と電話します。
被害者Xは、Aからの電話の通り電話をかけ、電話にでた犯人Bから名義を借りる約束をします。
すると、今度は、犯人Cが、被害者Xに対して、名義を借りるのは違法だから、警察に逮捕される。
逮捕されないようにするには現金が必要という電話をかけ、最終的に現金をだまし取ります。
マイナンバーの流出防止をかたる詐欺について
マイナンバーを利用した詐欺については、流出防止対策を悪用した詐欺も発生しています。
流出防止対策を悪用した詐欺の全貌
それは、被害者Xに対して、犯人が「あなたのマイナンバーに漏えいの危険があるので、漏えい対策が必要である。
その対策費用として、指定の口座に○○円を振り込んで下さい」という電話がかかります。
この手の電話をうっかり信じ込んでしまうと、詐欺に引っかかります。
詐欺により要求される金額は、犯罪に対する解決金等をかたることの多い劇場型詐欺より低くなりますが、それでも50万円程度になるケースもあります。
また、単純な詐欺だけに、頻繁に行われる傾向があります。
マイナンバーを悪用した個人情報収集型詐欺について
個人情報を収集する「個人情報収集型詐欺」というのも存在します。
個人情報収集型詐欺の全貌
行政機関の職員を名乗る犯人から、「マイナンバーに関する調査を行っています。
今から述べる質問に答えて下さい」という電話がかかってきます。
この電話による質問は、本人の家族構成などを聞き出すのが主な目的です。
この電話に騙されて、質問に答えることによって、本人の家族構成を教えると、後に、その情報が振り込め詐欺集団に流れて、詐欺に利用されます。
この手の詐欺で、直接金品が騙し取られることはありませんが、教えた個人情報が振り込め詐欺に利用されるので、大変危険です。