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マイナンバーと生活保護の不正受給について

マイナンバーと生活保護の不正受給

平成28年1月から運用が開始されるマイナンバー制度は、税と社会保障の様々な分野に大きな影響を与えることが予測されています。

 

そこで、そのうちの1つとして、以下では、マイナンバー制度が生活保護の不正受給の防止に果たす効果について解説します。

 

生活保護の不正受給の仕組みについて

生活保護を受けている方が、働いていて収入を得ている場合、毎月の生活保護の基準額からその月に働いて得た収入を減じた額が支給されます。

例えば・・・
平成25年度の東京都の生活保護基準額は26万4,150円なので、東京都で生活保護を受けていて月5万円の収入を得ているAさんの場合。

 

単純計算で差額の月額19万4,150円が支給されます。

 

しかし、Aさんが月5万円の収入を得ていることを生活保護の支払者に正確に報告していればよいのですが、もし、この事実を報告していない場合には、Aさんは月収0円として、正確保護基準額の100%である26万4,150円をそのまま受け取ることになります。

マイナンバーが生活保護の不正受給を防ぐ具体例について

マイナンバー制度の導入前であれば、生活保護受給者が働いて得た収入に関して虚偽の報告をしていた場合には、生活保護の支払者がそれを察知して、不正受給を防ぐことは、不可能ではないけれども、様々な理由で容易ではありませんでした。

 

Aさんが会社で働けば、毎年、会社から会社の本店所在地の市区町村へ給与の支払調書が送付されます。
よって、この支払調書を調べれば、Aさんの収入は正確に把握できます。

 

しかし、AさんがX市に住んでいて、Y市に本店のある会社で働いていた場合、支払調書はB市に提出されます。

 

AさんがX市で働いていた場合には、X市がAさんの収入調査と、Aさんの給与支払調書の送付を受けますから、比較的、調査は容易かもしれません。

 

しかし、Aさんが仮にX市から遠く離れたY市の会社から収入を得ていた場合、Aさんとはほとんど無縁のY市に支払調書が届きますから、それを確認するのは容易ではありません。

 

もちろん、Aさんの居住地から遠く離れたY市にAさんの給与の支払調書が提出されたとしても、氏名、住所、生年月日、性別の4情報を利用したコンピューターによる検索で、Aさんの支払調書を調べる方法もあります。

 

しかし、その場合、次のような事実があるとコンピューターは、Y市に提出されたAさんの支払調書をAさんのものであると判断しない可能性があります。

  • Aさんが、結婚・離婚等で氏名変更をしていた
  • X市内で引っ越しをしていた
  • 住所を間違って記入した
  • 例えば、斎藤を齋藤と間違えて記入した
  • コンピューターに登録された住所末尾が1-1-1表記、調書上のそれは1丁目1番1号

よって、X市の生活保護の担当者が、Aさんの4情報を使ってコンピューターで検索しても、上記のような事実があると、Y市に提出されたAさんの給与支払調書はヒットしてこない可能性があり、

 

そうなると、X市の担当者がAさんの収入を把握するのが困難になり、結果として不正受給が行われやすくなります。

マイナンバー制度の導入で個人の収入の把握が正確にできるようになる

マイナンバーが導入されると、X市の生活保護担当者は、生活保護の受給の際にAさんのマイナンバーの提出を受けますし、また、Y市も、給与支払調書に記載されたAさんの給与に関する情報等のマイナンバーを利用して整理するようになります。

 

マイナンバー制度の導入で個人の収入の把握が正確にできるようになる

従来では個人の識別を困難にするような事実があったとしても、マイナンバーが変わることはありませんから、A市の担当者は、Aさんのマイナンバーをコンピューターに入力すれば、Aさんの給与支払調書の検索から給与の状況を正確に把握できるようになります。

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