マイナンバー導入で所得証明書が不要になる!?

平成27年10月にマイナンバー法が施行され、平成28年1月から実際にマイナンバーの使用が始まります。

 

マイナンバー導入で所得証明書が不要になる

さて、マイナンバーの使用が始まると、市区町村長が交付する所得証明書がより正確に作られるようになります

 

以下では、マイナンバーの導入により所得証明書がどう変化するかについて解説します。

所得証明書とは!?

所得証明書とは、住所地の市区町村長が発行する、1年間の所得を証明した書面のことをいいます。この所得証明書に記載される所得は、自営業者の方であれば、対象者が確定申告の際に申告した所得、サラリーマンの方であれば会社から市区町村長に提出された源泉徴収票上の所得となります。

 

この所得証明書は、以下の場面などで利用されます。

  • 厚生年金の配偶者に係る加算金を受け取る手続き
  • 国民年金保険料の免除を受ける手続き
  • 児童手当の受給手続き
  • 健康保険の高額療養費の受給手続き

これらの手続きに際して、所得証明書で証明される所得金額によって、給付金を受けることができるかどうかや、どれくらいの給付金を受けることができるかが定まります。

 

従って、本来の所得金額の水準より低い所得金額が所得証明書に記載されている場合には、低所得者向けの社会保障に関する給付金を、不正に受給することになります

マイナンバーの導入で所得の過少申告が困難に

所得証明書に記載される所得金額は、自営業者の方などの場合、原則として確定申告で申告した金額となります。

 

確定申告の場合は、自分で所得を申告する分、不正が行われやすくなります。

 

例えば・・・

自営業者のAさんがB社からアルバイトをして報酬を得ていた場合

B社がA社に支払う報酬から所得税を源泉徴収していれば、B社から税務署へ報酬等の支払調書が送付され、税務署にB社がAさんに報酬をいくら支払い、税金をいくら徴収したかが報告されます。

 

さて、確定申告の際に、Aさんは自営業の事業所得のみを申告してB社からの報酬を申告しなかったとします。

 

この場合、今までであれば、B社から報酬の支払があったことを税務署が確認するのは非常に困難でしたから、Aさんの申告漏れが発覚する可能性は低いものでした。

 

しかし、マイナンバーが導入されると、税務署ではAさんのマイナンバーを利用すれば、AさんがB社から報酬を得ていたことは簡単に確認できるようになります。

 

よって、Aさんの所得の過少申告は簡単に発覚します。

所得の過少申告の減少で社会保障関係給付金の不正受給が減る

この例でAさんが申告所得を過少に申告しても、B社からの報酬からは所得税が源泉徴収されていますから、脱税ということにはなりません。

 

しかし、所得の過少申告は、所得証明書の金額を低くすることで、福祉関係の給付金の不正受給や免除制度の不正利用が可能になります。

 

マイナンバーの導入により、税務署が個人の所得を容易に把握することができるようになるため、所得の過少申告が減少するものと予想されます。

所得の過少申告の減少で社会保障関係給付金の不正受給が減る

 

そうすると、社会保障関係の給付金の不正利用等が抑制されると考えられます

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