マイナンバーと消費税増税、憲法改正について
マイナンバー制度の導入で得をする人と損をする人を考えると、不思議と
- 消費税増税
- 安全保障関連法案の制定
- 憲法改正の流れ
- 非正規雇用の拡大
などで、得をする人と損をする人と奇妙に一致します。
どれも一つの方向に流れているようです。以下では、その流れて行く先について考えてみます。
マイナンバーに2,000億円以上の費用をかける必要があるか
マイナンバー制度の導入には、2,000億円〜3,000億円の初期費用と、毎年300億円程度の運営費用がかかるとされています。
マイナンバーの導入で、確かに
●行政の効率化
●国民の利便性の向上
●公平・公正な社会の実現
は実現します。
しかし、その目的の実現のために、それくらいの多額の税金を投じる価値が本当にあるのか、というと疑問が残ります。
しかも、国民の側からそのような制度を導入して欲しいという要求があったわけではなく、政府側から一方的に設定した制度という点にも、疑問があります。
例えば・・・
マイナンバー制度の導入で生活保護の不正受給が減るといいますが、生活保護の不正受給率は件数で行くと受給者全体の2%程度、金額にすると0.4%程度で、しかも、以前からその比率はほぼ横ばいで推移しており、政府が宣伝するような大きな問題とはなっておりません。
また、マイナンバー制度の導入で、社会保障に関する給付金の受給手続きに際に、住民票や所得証明書等の添付書類が不要になると言われておりますが、そのメリットは僅少で、それをもって行政(手続き)の効率化といっても、ほとんど当てはまらないような気もします。
近未来のアメリカで予想される超管理社会について
近未来を予測したアメリカの映画には、近未来のアメリカ社会の姿として、働かなくても一生裕福な暮らしができる数%の富裕層と、劣悪な環境下で一生貧困な暮らしをする90%以上の一般庶民の極端な2極分化した社会がよく描かれています。
そこでは、国家権力がすべての人間をIDで管理し、富裕層と一般庶民を巧みに分断した上、そのような2極分化した社会を運営してゆくというものでした。
個人IDによって個人の思想まで管理できますから、反政府的な思想を抱く者がいれば、そこでは警察によってたちまち逮捕されます。
マイナンバー制度の導入の先にあるもの
マイナンバー制度は、潜在的な一元管理の可能性は十分にある
最近日本で導入されたマイナンバー制度は、分散管理される建前となっていますので、マイナンバーによる個人情報を特定の行政機関が一元管理することはないとされています。
しかし、警察や公安当局は犯罪捜査の場合には、必要に応じてマイナンバーを利用することができるとされています。
よって、犯罪捜査という目的であれば、マイナンバーを利用して被疑者のありとあらゆる個人情報を調査することが可能になります。
それは一元管理とはいいませんが、潜在的な一元管理の可能性は十分にあるということになります。
経営体力の弱い会社は倒産の危機!?
マイナンバーの導入は、社会保険の適用逃れを行っている個人事業主や零細企業に対し、負担できない社会保険料の支払いを求めることにより廃業の危機に追い込む可能性があります。
また、税金もより厳しく取り立てられますから、それによって経営基盤の脆弱な会社等は倒産があるかもしれません。
消費税の8%の増税も、経営体力の弱い小規模事業主にとっては、仕入れにかかる消費税の増額分を価格に反映させないと利益を圧縮するし、それを価格に反映させると顧客を価格の安い大型スーパーに奪われ、売上が減少します。
どちらにしても、消費税の増税で廃業する事業者が増えます。
サラリーマンだって安心はできない!
サラリーマンに関しても、非正規雇用化がすすんでいます。
非正規雇用になると、雇用不安を抱えたうえ、給与や賞与も少なく、福利厚生も不十分です。
退職時の退職金もほとんどありません。
他にも・・・
- 消費税の引き上げと同時に、法人所得税の税率は引き下げ
- マイナンバー制度の導入で関連企業の株価が上昇
- 平和憲法を改正すると、戦前のように軍事産業が発達し大企業に儲けが・・・
など、マイナンバー制度の導入の先には様々なものが見えてくるのです。
マイナンバーに関する政府の動向には要注意
こういった状況と合わせて考えると、マイナンバー制度の真の目的が、アメリカの近未来社会の予想図と同じような、数%の富裕層と90%以上の貧困の一般層に2極分化した、国家による超管理社会の実現にあるのでは、と疑いたくもあります。
もちろん、この予想は極端なことかもしれません。
しかし、こういったいびつな社会が実現しないように、政府の今後の動きには十分に気を付けて行く必要があると考えられます。