マイナンバー導入で預金封鎖をしなくても済む!?
終戦直後に返済不可能な水準に達した国の借金は、国民の預貯金等の資産に対し最高で90%の財産税を課税することで、返済されました。
その際に利用された手段が預金封鎖です。
以下では、この預金封鎖とマイナンバーの関係について解説します。
1946年に行われた預金封鎖について
敗戦直後の1946年に、政府の借金は、戦時中に発行した大量の国債が原因となり、返済不可能な水準にまで達しました。
そこで政府は、国民が持つ10万円超の預貯金、家屋、田畑、株式等に最大で90%の財産税を課し、それで徴収した税金で国債を償還し、借金を返済しました。
その際行なわれたのが預金封鎖です。預金封鎖とは、預金の引き出しの一部又は全部を政府が制限することを言います。
1946年に行われた預金封鎖は、当時の日本が直面していた急激なインフレを抑える目的もありましたが、財産税の課税のために、国民が保有する預貯金を把握するためにも行われました。
現在の日本政府の借金の水準について
1946年に預金封鎖が行われた年の2年前の1944年に、日本政府の借金が国内総生産に占める割合は204%でした。
一方、2014年12月末時点で、政府の借金の国内総生産に占める割合は231.9%に達していて、終戦直後に日本で預金封鎖が行われた時の水準を超えています。
政府も個人も同じで、借金の金額が膨らんで、周囲がもう返せないだろうと考える水準に達すると、お金を貸してくれる人がいなくなります。
政府の場合には、国債を引き受ける人がいなくなります。
どこの国でも、国の借金は、新しく借金を行うことで返済しています。
しかし、借金の残高が大きくなりすぎて、誰も国の政府にお金を貸してくれなくなると、政府は借金の返済ができなくなります。
すると、債務不履行となり、個人の破産と同じように、政府が破産することになります。
日本国債の引受け手がいなくならない理由について
日本政府の借金は膨大な数字となっていますが、日本国債を発行しても、引き取り手がつかないということはありません。
つまり、日本の国債を引き受ける者は、日本政府の借金の水準は高いが、借金はきちんと返せるだろうと考えています。
その理由は、家計が保有する金融資産総額は、2014年9月末時点で1,654兆円(そのうち、個人預金の残高が418兆円)であり、政府の借金は2014年12月末で1,030兆円です。
つまり、家計が保有する金融資産を担保とすれば、借金よりも担保額の方が大きいですから、日本政府にお金を貸しても大丈夫だと判断されるわけです。
預金口座へのマイナンバーの紐つけと預金封鎖
2015年10月に導入されたマイナンバーは、3年後から預金口座への紐つけが始まります。
この紐つけにより、政府は、終戦直後に行われたような預金封鎖をしなくても、個人の預貯金を把握できますので、いざというときに財産税を課税し易くなります。
実際に預金封鎖が行われる可能性は低いとみる金融アナリストの方も多いようですが、仮に、預金封鎖が行われなくても、いざというときには、マイナンバーを利用して国民の預貯金を容易に把握し、財産税を課して借金を返せるという状態にしておけば、日本の国債の信用が増し、財政運用面でよい影響を与えます。
マイナンバー導入の本当の目的は何か
マイナンバーが導入された理由は、生活保護の不正受給の対策だとか、脱税の防止とか、行政手続きの簡略化等様々言われています。
しかし、マイナンバー導入の費用(初期費用で2,000億〜4,000億円、毎年数百億円)に比べて、それらの目的が実現することによる経費削減の効果は、どうしても釣りあいません。
また、生活保護の不正受給問題や脱税問題が、現在の日本において緊急に解決すべき重大な問題だとは、到底考えられません。
にもかかわらず、突然にマイナンバー制度が導入された背景には、やはり、天文学的数字に到達しつつある政府の借金に対する対策があるのではないか、と考えられます。