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マイナンバーと老齢厚生年金、雇用保険給付について

マイナンバーと老齢厚生年金、雇用保険給付について

平成28年1月に運用が開始されるマイナンバー制度は、税と社会保障の様々な分野に大きな影響を与えることが予測されます。

 

そこで、以下では、その一つとして、マイナンバーが年金と雇用保険の需給調整に与える影響について考えます。

 

老齢厚生年金の受給と雇用保険からの給付の調整について

65歳未満の方が、老齢厚生年金(正確には、特別支給の老齢厚生年金といいます。)の支給を受けている場合に、勤務している会社を退職してハローワークから求職者給付(失業手当)を受給すると、ハローワークに求職の申込をした日の属する月の翌月から、老齢厚生年金の支給が止まります。

 

そして、再就職をしたり、求職者給付の所定給付日数をすべて消化した、又は、退職の日の日から原則1年間の受給期間が満了した場合には、その日の属する月の翌月から、老齢厚生年金の支給が再開されます。

 

また、雇用保険の被保険者期間が5年以上あるサラリーマンの方の賃金が、60歳を挟んで15%以上低下した場合には、雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金を受けることができる場合があります。この給付金を受けると、老齢厚生年金が6%を上限として、その一部の支給が止まります。

マイナンバー導入前の老齢厚生年金と雇用保険からの給付金の調整について

上記のように、老齢厚生年金の給付と雇用保険の給付は相互に関連しているので、双方の制度間での情報交換が必要になります。

 

以前は、老齢厚生年金の受給権者が雇用保険からの給付金を受ける場合には、年金事務所に届出が必要でした。
この届出を受けた年金事務所が、老齢厚生年金の支給調整を行いました。

 

しかし、最近では、老齢厚生年金の請求時に、基礎年金番号と雇用保険番号の提出を求め、それらの番号をコンピューターに登録し、それらを利用して、老齢厚生年金の受給者が雇用保険からの給付金を受けているかどうかの確認を行うようになりました。

 

また、老齢厚生年金の受給権者がハローワークで求職の申込をしたり、高年齢雇用継続基本給付金を受け始めた場合には、老齢厚生年金の請求時に登録された雇用保険番号を介して、その情報が日本年金機構に流れてきて、自動的に老齢厚生年金の支給調整が行われるようになっています。

マイナンバー導入後の老齢厚生年金と雇用保険からの給付金の調整について

届出書を利用していた時期は、老齢厚生年金の受給者がハローワークで求職の申込をした場合に、わざと届出をしない、又は、届出をすることを忘れていた場合には、本来は支給されないはずであった老齢厚生年金が支給されてしまうという、不正受給が起こりやすいことは容易に想像できます。

 

なお、基礎年金番号と雇用保険番号を利用した情報交換により老齢厚生年金と雇用保険からの給付の調整を行うようになると、届出書による場合と比較すれば、確かに、不正受給の可能性は激減します。

 

しかし、老齢厚生年金の請求時に一定の理由があれば、雇用保険番号は提出しなくてもよいのですが、その際に申請者が虚偽の理由を申し立てて雇用保険番号を提出しない可能性は否定できず、その場合には、不正受給の発覚を防止するのは困難です。

 

マイナンバーが導入されると、老齢厚生年金と雇用保険の給付に関する不正受給の問題はほぼ解決します。

 

虚偽の申立てにより番号の提出を行わないことができなくなります。
また、老齢厚生年金の請求時に提出されるマイナンバーを利用して、雇用保険の受給状況が年金支払者が確実に確認できます。

 

マイナンバー導入後の老齢厚生年金と雇用保険からの給付金の調整について

そうすると、老齢厚生年金の受給権者が、雇用保険からの給付金を受給している事実を隠ぺいすることは、ほぼ不可能になります。

 

マイナンバー導入で、老齢厚生年金と雇用保険の給付金に関する不正受給の問題はほぼ解決するといってよいでしょう。

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